データマイニングとは?
データマイニングは、大量のデータから有益な情報を引き出し、隠れたパターンを発見するプロセスです。「マイニング」は「採掘」の意味で、数あるデータから重要な情報を掘り出すイメージを想像すると、理解しやすいかもしれません。
データはデータウェアハウスなどに集められ、整理されます。集められたデータはデータマイニングを用いて、コスト削減・収益増加・顧客サービスの改善など、企業がより良い判断を下すのに役立つパターンや傾向を分析してくれるのです。マーケティング、金融、医療、製造など、さまざまな分野で活用されています。有効で信頼性の高い結果を得るためにも、データインテグリティ(データの整合性)を保つことが重要です。
データマイニングによって得られる成果は、DIKWモデルを理解するとわかりやすいです。DIKWモデルは、以下の4つに分類されます。
- Data(データ):生の事実や数値であり、単独では意味を持たない。
- Information(情報):データを加工・整理することで意味が生まれ、ある状況や文脈において有用なものになる。
- Knowledge(知識):情報を分析・理解することで、経験や判断の基となり、行動や決定を導くものになる。
- Wisdom(知恵):知識を用いて深い洞察を得たり、長期的な影響や倫理的な判断を考慮したりする能力。
データマイニングによって得られるのは「データ」「情報」「知識」までであり、最終的に情報の価値を最大化する(知恵に変える)ことができるかは人間にかかっています。
データマイニングの詳細
データマイニングの主なプロセスは、以下のとおりです。
- データの抽出、変換、ロード:関連するデータを収集し、必要に応じて形式を変換した後、データウェアハウスに保存する
- データの保存と管理:収集したデータを多次元データベースで保管・管理し、分析のために整理する
- データアクセスの提供:アプリケーションソフトウェアを通じて、ビジネスアナリストなどのユーザーにデータへのアクセスを提供する
- データの分析と表示:分析結果をグラフなど視覚的な形式で提示して、理解しやすくする
データマイニングの最初の段階では、企業にとって価値のあるデータを収集します。代表的なデータは、トランザクションデータ(販売、在庫、コストなどの日常業務データ)、非運用データ(通常は予測データ)、メタデータ(データベース設計に関連するデータ)などです。データ間のパターンや関連性を分析することで、ビジネスプロセスの改善につながる洞察を得られます。
例えばアメリカの大手小売業者であるウォルマートでは、テラバイト規模のデータウェアハウスに膨大なデータを集め、データマイニング技術を使用します。サプライヤーが顧客の購買パターンを分析し、購入習慣や人気製品などのパターンを明らかにするのです。
データマイニングの次のステップでは、適切なアルゴリズムを選択し、意味のある関係性を抽出します。アルゴリズムによってデータの傾向が特定され、パターンを発見できるのです。OracleやSQL Serverなどのデータベース事業者は、適切なアルゴリズムを提供することでデータマイニングのニーズに応えています。