パーミッションレスとは?
パーミッションレスは、最も利用されているブロックチェーンネットワークのタイプです。パーミッションレスの意味は、ブロックチェーンネットワークにおいて、許可なく誰でも自由に参加できることを指します。パーミッションレスの仮想通貨(暗号資産)やブロックチェーンは、ネットワークに参加するための許可や認証が不要で、誰でも許可なくネットワークにアクセスできるのです。
パーミッションレス型ブロックチェーンでは、ユーザーは第三者やゲートキーパーの承認なしに、ネットワークへの参加、取引の実行、ネットワーク運営への貢献が可能です。このような自由度は、国籍、年齢、職業、社会的地位などに関係なく、誰もが参加できる環境を作り出します。
また、パーミッションレス・ブロックチェーンは、取引の完全な透明性を目指しています。各取引は分散型台帳に記録され、ネットワーク全体で自由にアクセス可能です。全ての参加者が取引の正当性を確認できるため、安全性が強化され、不正行為のリスクが低くなります。
パーミッションレス・プラットフォームは多くの場合オープンソースで、基本となるコードやプロトコルが公開されています。ユーザーはコードにアクセスし確認や監査ができるため、システムの信頼性が保たれ、共同開発の環境が促進されます。つまり、ブロックチェーン技術を十分に理解し、それぞれが自分で検証できるようになれば、他人を信頼する必要がないということです。
上記のような開放性により、ユーザーはネットワークに対して変更や改善、新機能を提案でき、継続的な革新と進化が可能になります。
パーミッションレス・ブロックチェーンの仕組み
パーミッションレス・ネットワークでは、取引情報の検証は中央機関ではなく、ユーザーが行います。ネットワーク参加者は、取引の有効性について合意を形成していくのです。
合意形成を促進するため、パーミッションレス・ブロックチェーンは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)やプルーフ・オブ・ステーク(PoS)などのコンセンサスメカニズムを採用しています。各メカニズムは、誠実な行動とルールの順守を促し、システムの円滑な機能を保証します。
パーミッションレスの主な特徴は、以下の通りです。
- 分散化:パーミッションレス・ブロックチェーンは分散化されており、特定の誰かが台帳を操作したり、ネットワークを停止させたり、プロトコルを変更したりすることを防ぎます。
- 透明性:パーミッションレス・ネットワークでは、ユーザーは秘密鍵を除くすべての情報にアクセスできます。分散化により中央機関への依存が避けられ、取引情報に自由にアクセスできるため、透明性が高く評価されています。
- 匿名性:パーミッションレス・ブロックチェーンでは、アドレスを作成する際にユーザーが個人情報を提供する必要がないため、高度な匿名性が実現します。
パーミッションレス・ブロックチェーンとパーミッションド・ブロックチェーン
従来の金融システムと同様、ブロックチェーンや仮想通貨も許可制にすることができます。パーミッションド・ブロックチェーン(許可制ブロックチェーン)と呼ばれ、ネットワークにアクセスして取引を行うには、承認や招待が必要です。
パーミッションレス・ブロックチェーンとは異なり、パーミッションド・ブロックチェーンは中央集権的で、特定の組織やグループが管理しています。またパーミッションド・ブロックチェーンではアクセスが制限され、ユーザーの役割とアクセスレベルが明確に定義されるのも特徴です。
パーミッションレス・ブロックチェーンとパーミッションド・ブロックチェーンの大きな違いは、パーミッションレスが分散化、開放性、包括性を重視しているのに対し、パーミッションドはアクセス管理とプライバシーを優先している点です。
パーミッションド・ネットワークは、医療ビジネスなど、データプライバシーを重視しつつ分散データベースを活用したいビジネスに適しています。仮想通貨とは異なる使い方をされることが多いですが、非常に有用なシステムです。
パーミッションレス・ブロックチェーンの事例
最も有名なパーミッションレス・ブロックチェーンの事例は、仮想通貨のビットコイン(BTC)です。中央機関の承認を必要とせず、誰でもユーザーやノードとしてネットワークに参加できるのです。ビットコインの参加者は、自由に取引を行い、取引を検証し、ネットワークのコンセンサス・プロセスに貢献することもできます。
ビットコインのようなレイヤー1ブロックチェーンでは、ネットワークのセキュリティとコンセンサスは、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)と呼ばれるコンセンサス・メカニズムを通じて実現されます。マイナーが複雑な数学的パズルを解く競争を行い、パズルを最初に解いたマイナーは、次のブロックをブロックチェーンに追加する権利と報酬を得るのです。ハードウェアと電力を購入する資金があれば、誰でもマイニングを始められます。一方でセルフィッシュマイニング攻撃などの脅威もあるため、注意が必要です。
ビットコインは、パーミッションレス・ブロックチェーンの最初の例です。ユーザーによって運営されるという理念に基づいて構築されました。他のほぼ全てのブロックチェーンがビットコインの足跡をたどり、パーミッションレス・ネットワークとなっています。
パーミッションレス・ブロックチェーンの他の例としては、カルダノ(ADA)やイーサリアム(ETH)などが挙げられます。