クエリ

信頼の理由

クエリとは?

クエリとは、データベース管理システム(DBMS)において、データベースのデータ検索・更新・抽出・削除などを要求することです。データベースの種類によってクエリの記述方法は異なります。たとえば、リレーショナルデータベース(RDS)で利用されるSQL(Structured Query Language)という言語や、XMLデータベースにおいて用いられるXQueryという言語などです。とくにSQLは、最もよく知られていて広く使用されているクエリ言語であり、ほとんどのデータベース管理者にとって馴染み深いものです。

クエリの意味をわかりやすく解説

ここからは、具体例を用いてクエリの意味をわかりやすく解説します。コンピューターが情報の要求を理解するには、クエリ言語として知られるコードに従ってクエリを書くことが必要です。たとえば、銀行に行って「エスプレッソをもらえますか?」と尋ねても、窓口の人は戸惑ってしまうでしょう。正しい情報を要求するには、正しいクエリ言語で適切な要求を書くことが求められるのです。

クエリ言語の代表は、データベース管理を目的として使用される標準言語の一つであるSQLです。また、SQLを使用するソフトウェアとしてはMySQLがよく利用されています。

クエリを利用したデータベース機能は、データストレージ機能と同じくらい必要不可欠です。そのため、さまざまな種類のデータベースエンジンやその利用用途に応じて多くのクエリ言語が開発されています。

クエリ言語は、その機能に応じて異なる種類のデータを生成する点も特徴です。たとえば、SQLはデータをエクセルのような行と列で返します。クエリ言語によっては、データをグラフや図表、データマイニングなどの複雑なデータとして返すものなど、さまざまです。

データマイニングとは、複雑なデータの傾向や、複数のデータ間の関係を明らかにする情報の深い分析を指します。たとえば、ある製造会社において何月の売上がピークに達するのかや、女性の営業担当者が男性の売上高を上回りやすい時期を明らかにするような、複雑な分析です。

また、一部のわかりやすいクエリ言語を利用することで、経験の浅いユーザーでもデータベースに簡単な問い合わせができます。データベースが特別なクエリ言語で書かれ、事前に定義されている場合でも、そのクエリ言語を使用せずに情報を要求することが可能です。場合によっては、データの検索を行うデフォルトのメニューから手作業でパラメータを選択し、データを抽出することもできるでしょう。この方法は柔軟性に欠けるものの、シンプルで誰でも利用しやすいです。

このように、クエリとはコンピューターに情報を要求することであり、クエリ言語によってさまざまな書き方や使い方が定義されています。

SQLクエリの書き方

SQLクエリは、データベース内のデータに対する操作や問い合わせを行うための代表的なクエリです。データの検索、挿入、更新、削除など、さまざまな操作を行うことができます。ここでは、SQLクエリの基本的な書き方と主な命令文について解説します。

SELECT文:データの抽出

SELECT文は、データを検索して表示する基本的な命令文です。WHERE, GROUP BY, HAVING, ORDER BYなどの命令を任意で付け加えて、データを絞り込んだり、集計したり、並べ替えたりできます。

【基本書式】

 

SELECT フィールド名

FROM テーブル名

WHERE 条件

GROUP BY集計項目

HAVING 集計項目に対する検索条件

ORDER BY ソート項目;

INSERT文:データの挿入

INSERT文は、テーブルへのデータ挿入を行う命令文です。VALUESのあとに挿入する値のセットをカンマ区切りで列挙することで複数のデータを一度に挿入したり、別のテーブルからSELECT文で抽出した結果を直接INSERTすることもできます。

【基本書式】

 

INSERT INTO テーブル名 (カラム1, カラム2, …)

VALUES (値1, 値2, …);

UPDATE文:データの更新

UPDATE文で行えるのは、データの更新です。指定した条件に一致するデータの値を更新します。条件を省略するとテーブル内の全レコードが更新されてしまうため、注意が必要です。

【基本書式】

 

UPDATE テーブル名

SET カラム名1 = 値1, カラム名2 = 値2

WHERE 条件;

DELETE文:データの削除

DELETE文は、データの削除を行う命令文です。指定した条件に一致するデータを削除します。条件を省略するとテーブルの全データが削除されるため、DELETE文を扱う際は慎重に操作しましょう。

【基本書式】

 

DELETE FROM テーブル名

WHERE 条件;

クエリとSQLの違い

クエリと混同されやすい言葉として「SQL」が挙げられます。両者の違いはどこにあるのでしょうか。SQLとは、データベースを操作するために設計されたプログラミング言語です。データの検索・挿入・更新・削除などの操作を行うための一連の規則や構文を意味します。C言語やJavaなどのプログラミング言語と同じく、特定の文法に従ってコードを記述することで、データベースとのやり取りを可能にするものです。

一方で、クエリとは、データベース管理システム(DBMS)に対する具体的な命令文のことを指します。SQLを使用して、データベースに特定のデータを要求したり、データを更新する命令を出したりできます。つまり、クエリとは、SQLを用いてデータベースに対して行う一つ一つの要求や操作を指す言葉なのです。

検索クエリとは?

データベースで用いられるクエリ以外に、検索エンジンで用いられる「検索クエリ」もあります。検索クエリとは、検索エンジンで情報を探す際にユーザーが入力する単語や文章です。英語で「query」とは「質問」や「疑問」という意味を持つため、検索エンジンに対して投げかけられる質問、つまり知りたい内容に関する単語や文章を指します。一般的に、ユーザーが具体的な情報を求めて検索窓に入力する言葉が検索クエリです。

検索クエリは「検索キーワード」とも混同されやすいですが、両者には明確な違いがあります。検索キーワードは問題解決の手掛かりとなる言葉や、情報検索の際に使用される語句を意味しますが、一方で検索クエリは検索エンジンを通じて情報収集を目的としてユーザーが実際に入力する言葉です。

クエリ関数とは?

クエリは、Googleスプレッドシートにおいても用いられる用語です。Googleスプレッドシートにおけるクエリは、主に「クエリ関数(QUERY関数)」という意味で利用されます。クエリ関数とは、特定のデータ範囲から必要な情報を選択し、別の場所に出力できる関数です。データ分析やレポート作成の際に使用することで、データの操作や抽出を簡単にできます。

クエリ関数を用いると、指定した範囲からデータを選択し、別の場所にそのデータを表示させることが可能です。また、元のデータが変更された場合、クエリ関数で抽出したデータも自動的に更新されます。そのため、常に最新の情報を表示できる点も特徴です。

Googleスプレッドシートでクエリ関数を使用するには、「=QUERY(データ範囲, “クエリ”, [見出しの数])」という形で関数を入力します。「データ範囲」には抽出するデータのセル範囲を、「クエリ」には実行したい操作を、「見出しの数」には結果に含める見出しの行数を指定します。「クエリ」に入る実行したい操作は、たとえば以下のようなものです。

select 選択した範囲の列を順序どおりに抽出する
where 選択した範囲のうち指定した箇所のみ抽出する
group by 抽出した情報を列ごとに集計して出力する
order by 抽出した情報の列を並べ替えて出力する

このように、クエリ関数はデータの抽出や操作を行う際に非常に便利な関数です。複雑なデータから必要な情報を簡単に抽出し、整理できます。ただし、クエリ関数はエクセルでは使用できません。エクセルでクエリ関数のような動作をさせたい場合、指定した条件に合ったデータだけを抽出できる「FILTER関数」を用いるとよいでしょう。

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テクノロジーエキスパート

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