弱いAIとは
弱いAI(弱い人工知能)とは、「AIは人間の認知機能を模倣する」「コンピューターは思考しているように見えるだけで実際に意識を持っているわけではない」といった考えに基づいた人工知能(AI)の研究・開発方法です。
弱いAIは設定されたルールに従って動作し、ルール外の動作はしません。一例として、コンピューターゲームのキャラクターが挙げられます。これらのキャラクターはゲーム内でリアルな行動をしますが、その範囲を超えた行動はできません。
弱いAIは、狭いAI(ナローAI)と呼ばれることもあります。
弱いAIの具体例
弱いAIは、特定の狭いタスクに特化し、そのタスク内で非常に賢く見えるように設計された人工知能(AI)です。人間と同じようにあらゆる認知機能を持ち、人間の心情とほとんど変わらない「強いAI」とは異なります。
弱いAIは、一般的な知能とは見なされず、あくまでも割り当てられた特定のタスクで賢く振る舞うように設計された人工知能です。弱いAIの具体例として挙げられるのが、Apple社が開発したSiriです。Siriの背後には強力なデータベースとして機能するインターネットがあります。
Siriは人と会話できたり、時には皮肉や冗談を言うこともできたりと賢く見えますが、実際には事前定義された非常に狭い範囲でしか動作しません。プログラムされていない会話に応じたときの不正確な応答から、その機能の限定性を感じることができます。
製造業で使用されるロボットも、人間の頭では理解できないような正確かつ複雑な動作を見ると非常に賢く見えます。しかし、ロボットは特定の状況で何をすべきかをプログラムされているだけで、それ以外の状況では何をすべきか判断することはできません。機械学習を実装したAIであっても、プログラムされた範囲内で学習したことしか適用できません。