このページでは、ブックメーカーのオッズについて完全に解説しています。
ブックメーカーのオッズ とは
ブックメーカーのオッズとは、賭けの配当率を定める数値を指します。
ブックメーカーのオッズが高いほど、潜在的な配当金は高くなり、オッズが低いほど、潜在的な配当金は低くなります。
一般的には、オッズは対象の出来事の発生確率を指し、オッズが低いほど、その確率は高く、オッズが高いほど、その確率は低いと想定されます。
その一方で、ブックメーカーのオッズは必ずしも実際の確率と一致するわけではありません。
ブックメーカーのオッズの特徴
ブックメーカーのオッズの特徴には、以下が挙げられます。
- 控除率を予め差し引いたオッズ
- 賭けた時点で確定する
- オッズは随時調整される
- ライブオッズを利用可能
ブックメーカーでは、公営ギャンブルのオッズと大きく異なり、ベッターが賭けた時点でのオッズが適用され、払い戻されます。
また、大半のブックメーカーでは、ライブオッズを利用でき、進行中のイベントに任意のタイミングで賭けられます。
ブックメーキング方式とパリミュチュエル方式の違い
ブックメーキング方式とパリミュチュエル方式の違いは、以下の通りです。
ブックメーキング方式(確定オッズベッティング)
ブックメーキング方式では、運営元に利益が出るように、オッズが調整されます。
オッズは常に変動する可能性があり、賭けたタイミングでオッズが確定します。
そのため、同じ賭けであっても、しばしば異なるオッズが適用されます。
オッズの調整を誤れば、運営元は損失リスクを負うことになります。
つまり、オッズが高いタイミングでベットすれば、後々オッズが調整された場合でも、高いオッズのままで配当金を受け取れます。
パリミュチュエル方式(プール賭博)
パリミュチュエル方式では、賭け金をプールし、利益を差し引いた後に配当が分配されます。
つまり、賭けのタイミングに関わらず、同じ賭けには、一定のオッズが適用されます。
集まった賭けの総額に基づいて、予想オッズが公表され、賭けの受け入れが締め切られた後に、改めて実際のオッズが確定します。
そのため、パリミュチュエル方式では、運営元が損をすることはありません。
いわゆるブックメーカー(私企業)では、ブックメーキング方式でオッズが設定されています。
他方、国内外の公営ギャンブルでは、パリミュチュエル方式が採用されています。
ブックメーカーのオッズの決め方
ブックメーカーのオッズは、以下のような要因により定まります。
- 過去の試合結果(試合形式や開催場所、チーム/選手ランキング)などを含む
- チーム/選手のコンディション
- ファンの動向
- そのスポーツの専門家やプロの意見
- オッズトレーダーの見識
オッズは、通常、オッズトレーダーにより調整され、様々な要因により決定されています。
ブックメーカーのライブオッズは、試合状況により目まぐるしく変動します。
分析に役立つデータが多いほど、オッズの価値を図り易いのは確かですが、データが少ない場合、ブックメーカーはオッズの設定に一層慎重になります。
また、各チームのファンがどれほどの賭けを行うかも過去のデータに基づいて想定されているため、チームの実際の実力よりもファンによって、オッズが潜在的に下げられることもあります。
ブックメーカーのオッズ形式の種類
ブックメーカーのオッズには、以下のような複数の表示形式があります。
デシマルオッズ
デシマルオッズは、日本やヨーロッパの多くの国で利用されています。
小数点で表示され、勝利した際の払い戻し金は「賭け金×小数点オッズ」で計算できます。
例えば、オッズ 2.15に $10を賭けた場合、勝利すると2.15×10=21.5 で、$21.50が払い戻されます。
この払い戻し金には賭け額も含まれているため、純利益は払い戻し金から賭け額を引いた額となります。
アメリカンオッズ
アメリカンオッズは、名称の通りアメリカで利用されるオッズ形式で、100を基準とした利益を+−オッズで表示されます。
プラス表示の際は、$100を賭けた場合に得られる利益を表し、マイナス表示の際は$100の利益を得るために必要な賭け金を表しています。
オッズ+187 であれば$100賭けると$287が払い戻され、オッズ-250であれば $250賭けると$350が払い戻されます。
マイナスオッズは純利益が賭け金より低い($100賭けて払い戻し額が$200以下)場合に表示されます。
フラクショナルオッズ
主にイギリスでいる親しまれているのがフラクショナルオッズです。
分数表示になっており、左の分子数字額を得るために必要な額は、右の分母数字となります。
例えば、3/1と表示されている場合、$1を賭けると$3の純利益が得られることを示します。
この$3にはベット額は含まれないため、3/1 オッズで勝った場合、払戻金は$4となります。
どのオッズ形式でも払戻率に違いはありません。
大半のスポーツブックでは、オッズ表示形式の切り替えが可能です。
ブックメーカーのオッズの変換例
以下に、それぞれのオッズ形式の変換例を示しています。
デシマルオッズ
アメリカンオッズ
フラクショナルオッズ
およその確率
1.50
-200
1/2
66.67%
2.00
+100
1/1
50%
2.25
+110
5/4
44.44%
2.50
+150
6/4
40%
2.75
+175
7/4
36.36%
3.0
+200
2/1
33.33%
3.5
+250
5/2
28.57%
4.0
+300
3/1
25%
ブックメーカーのオッズの見方
ブックメーカーのオッズの見方を以下に具体例を挙げて解説しています。
例:北海道コンサドーレ札幌対東京ヴェルディの試合
1×2のオッズ
- 1=北海道コンサドーレ札幌の勝ちオッズ: 2.60
- x=後半戦が終わった際に引き分け(延長戦に入る前)オッズ:3.40
- 2=東京ヴェルディの勝ちオッズ:2.60
1=北海道コンサドーレ札幌の勝ち(オッズ2.60)に1000円賭けた場合の配当金
→1000円 (賭け金)x 2.6(オッズ) =2600円(配当金)
x=引き分け(オッズ3.40)に1000円賭けた場合の配当金
→1000円(賭け金) x 3.4(オッズ) =3400円(配当金)
2=東京ヴェルディの勝ち(オッズ2.60)に1000円賭けた場合の配当金
→1000円(賭け金) x 2.6(オッズ) =2600円(配当金)
なお、「1」および「2」の賭けも、「延長戦を含む」と明記されていない限り、後半戦終了時の結果の予想となります。
「1」に賭けて後半戦終了時に引き分けとなった場合、賭けは負けとなります。
延長戦で「1」のチームが勝っても、賭けは勝ちとはみなされません。
ブックメーカーのオッズ 比較のやり方
ブックメーカーのオッズ比較のやり方を以下に解説しています。
例:マンチェスター・ユナイテッド対FCトゥウェンテの対戦オッズ
- Bet365のオッズ
- スポーツベットアイオーのオッズ
- 遊雅堂のオッズ
各ブックメーカーのオッズ比較表:
ブックメーカー | マンチェスター・ユナイテッドの勝ち | 引き分け | FCトゥウェンテの勝ち |
Bet365 | 1.27 | 6.50 | 9.00 |
スポーツベットアイオー | 1.28 | 6.60 | 9.20 |
遊雅堂 | 1.28 | 6.00 | 9.00 |
ブックメーカーのオッズは、各社のオッズトレーダーが導き出すため、若干の差があります。
ブックメーカーのオッズの差は、さほど大きくなりませんが、賭け金額が大きい程、利益に差が出ます。
潜在的な利益を最大化するためには、複数のブックメーカーでオッズを比較することが鍵となります。
海外では、オンラインで閲覧可能なオッズ比較サイトが多数出回っているため、これらを活用するのも良いでしょう。
ブックメーカーのオッズ 比較に役立つツール
ブックメーカーのオッズ比較に役立つツールには、以下のようなものが見つかります。
オッズ比較サイト(無料)
- Oddspedia
- Bet Brain
- Oddschecker
- Odds Explorer
- Easy Odds
- Odds Portal
- Hot-Odds
- OddsFan
- BetMonitor など
オッズチェッカー(有料)
- OddsJam
- BetBurger
- RebelBetting
- OddsBoom
- BetOnValue など
英語のオッズ比較サイトの大半は無料で公開されていますが、詳細なオッズチェッカーは有料の場合がほとんどです。
スポーツベットのオッズの計算方法
スポーツベットのオッズの計算方法を以下に解説しています。
1をオッズで割る
「1÷オッズ」で大体の勝率がわかりますが、これにはブックメーカーのビグ(利益)が含まれています。
鹿島アントラーズとサンフレッチェ広島の試合を例に勝率を計算してみましょう。
- 鹿島アントラーズ:1÷3.10=0.32 → 32%
- サンフレッチェ広島:1÷2.30=0.43 → 43%
- 引き分け:1÷3.25=0.31 → 31%
32%+43%+31%=106%
100を超過した部分がブックメーカーのビグです。このマーケットでは、 6%の利益が含まれていることが分かります
ブックメーカーの利益を差し引く
以上の計算で大まかな勝率が分かりましたが、ブックメーカーの利益を引き、オッズトレーダーが予想する正確な勝率を計算してみましょう。
ブックメーカーの利益を引くには、大まかな勝率を利益を含んだ%で割ります。
- 鹿島アントラーズ:32÷106=0.30
- サンフレッチェ広島:43÷106=0.41
- 引き分け:31÷106=0.29
勝率(起こる確率)が分かる
これで、それぞれのチームの確率とビグが明らかになりました。
- 鹿島アントラーズの勝率:30%
- サンフレッチェ広島の勝率: 41%
- 引き分ける確率:29%
- ブックメーカーの利益:6%
マネーライン(引き分けの選択なし)のオッズであれば、勝率はもっと具体的に見ることができます。
なお、オッズに含まれるブックメーカーの利益は、3%~10%となっています。
バリューベッティング とは
バリューベッティングとは、ブックメーカーが過小評価したオッズに賭ける手法です。
この手法は、オッズが統計的な確率よりも高く設定されている場合に有効になります。
つまり、ベッターがブックメーカーに対して優位性を得るチャンスとなります。
スポーツの世界では確率を完全に計算することは不可能なため、バリューベッティングの可能性が存在します。
バリューベッティングとアービトラージの違い
バリューベッティングとアービトラージの違いを以下に要約しています。
バリューベッティング
- 損失リスクを負う
- ブックメーカー1社で、一つのオッズに賭ける
- 高額の資金がなくても可能
- 長期的に持続可能な賭け戦略
アービトラージ
- 必ず勝てる手法
- 損失リスクが無いか、あっても低い
- 複数のブックメーカーを利用し、複数のオッズに同時に賭ける
- 利益を得るには相応の資金が必要
- ベット規制やアカウント停止の危険性がある
バリューベッティングは、アービトラージよりも実践し易く、長期的な持続可能性が高いと言えるでしょう。
しかし、必ず勝てる戦略では無いため、損失リスクについても十分考慮する必要があります。
バリューベッティングに役立つヒント
バリューベッティングに役立つヒントを以下にまとめています。
FAQ
ブックメーカー オッズに関するよくある質問と答えを以下にまとめています。