リモートワークの発展によって、個人であっても自宅のWi-FiネットワークにVPNを構築する重要性が高まっています。VPNは単なる仮想専用回線ではなく、ネットワーク機器やIoTデバイスの保護、プライバシーの強化、リモートワークのセキュリティ向上など、多くの利点をもたらします。
本記事では、自宅でVPNを構築する理由から、VPNサーバーやVPNルーターなどの必要な機器の種類、構築方法、注意点について詳しく解説します。安全で快適なオンライン環境を整えるため、自宅でのVPN構築は必須になってきています。ぜひ最後までご覧いただき、VPN環境を導入してください。
自宅のWi-FiにVPNが必要な3つの理由
VPN接続とは、インターネット上に仮想的な専用回線を構築し、安全に通信を行うための技術ですが、オンラインで仕事をする機会が増えた現在必須となりつつあります。
その主な理由として以下の3つを順番に解説していきます。
- ネットワーク機器とIoTデバイスの保護
- プライバシー保護の強化
- リモートワークのセキュリティ強化
①:ネットワーク機器とIoTデバイスの保護
自宅のWi-Fiネットワークは、ルーターやモデムなどのネットワーク機器を介して外部とつながっています。これらの機器にセキュリティの脆弱性が存在する場合、攻撃者の侵入口となる可能性があります。
VPNを使用することで、これらの機器の脆弱性を悪用した攻撃からネットワーク全体を守ることができます。
さらに、IoTデバイスの普及により、家庭内のネットワークに接続されるデバイスの数が増加しています。スマート家電、セキュリティカメラ、スマートスピーカーなど、これらのデバイスの中にはセキュリティが十分でないものも存在し、潜在的な脅威となる可能性があります。
VPNを導入することで、これらのデバイスを介した攻撃や、デバイスからの不要なデータ送信を防ぐことができます。
②:プライバシー保護の強化
ISP(インターネットサービスプロバイダー)は、法的に許可されている範囲内でユーザーのオンライン活動を追跡し、データを収集することがあります。VPNを使用することでISPからの監視を避け、プライバシーを保護することができます。これは特に、センシティブな情報を扱う際や、個人的なプライバシーを重視する場合に重要です。
③:リモートワークのセキュリティ強化
リモートワークの増加に伴い、自宅から会社の情報にアクセスする機会が増えています。VPNを使用することで、自宅と会社のネットワーク間に安全な暗号化トンネルを確立し、機密性の高い業務データを保護しつつ、安全にアクセスすることができます。これにより、社内システムやクラウドサービス利用時のセキュリティが向上し、データ漏洩や不正アクセスのリスクを軽減できます。
公共Wi-Fiには、無線区間の通信が暗号化されていないアクセスポイントが存在していたり、様々な脆弱性が発見されており、VPNの利用は必須です。
自宅Wi-Fiの場合は公共Wi-Fiに比べていくらか安全性が高くなっているものの、リモートワークなどで重要な情報をやり取りしている場合は、VPNを設定しておくべきと言えます。
参考:公衆無線LANのセキュリティの現状について | 総務省
VPN構築に必要になるもの
VPNを構築する際には、以下の4つが必要になります。
機器名 | 主な機能 | 設置場所 | 用途 |
---|---|---|---|
VPNゲートウェイ | 自宅ネットワークと外部ネットワーク間の暗号化されたトラフィックを管理 | 自宅ネットワークの境界 | 自宅ネットワークと外部ネットワーク(クラウドなど)の安全な接続 |
VPNルーター | VPN機能搭載のネットワーク機器。家庭内の全デバイスにVPN保護を提供 | 自宅のインターネット接続ポイント | 家庭内の全デバイスを同時にVPN接続 |
VPNクライアントソフト | 個別のデバイスにインストールし、VPN接続を実現するソフトウェア | 個人のPC、スマートフォン、タブレットなど | 外出先でのセキュアな接続や、特定デバイスのみのVPN使用 |
VPNサーバー | クライアントからの接続を受け入れ、安全なトンネルを提供 | 自宅のPC、NASデバイス、ラズベリーパイなど | 自宅ネットワークへの安全なリモートアクセス |
それぞれがVPNの安全性と効率性を支える重要な役割を果たしています。
VPNゲートウェイ
VPNゲートウェイは、自宅のネットワークとインターネットの境界に設置する装置です。これを使うと、外出先からでも自宅のネットワークに安全に接続できるようになります。VPNゲートウェイは、データの暗号化や認証を行い、インターネット上に仮想的な専用回線を作り出します。
VPNルーター
VPNルーターは、通常のルーター機能に加えてVPN機能を内蔵した装置です。これを自宅に設置すると、外出先からでも安全に自宅のネットワークにアクセスできるようになります。
また、家庭内のすべての機器を自動的にVPN経由でインターネットに接続させることができ、VPNの設定や管理が簡単になるため、個人ユーザーでも手軽にVPNの恩恵を受けられる便利なデバイスです。
VPNサーバー
VPNサーバーとは、自宅からインターネットを通じて安全に外部ネットワークにアクセスするための中継点です。ユーザーのデータを暗号化し、プライバシーを守りながら、まるで直接接続しているかのようにリモートネットワークを利用できるようにします。
自宅でVPNサーバーを構築すれば、外出先からでも自宅のネットワークに安全にアクセスしたり、ネットフリックスのジブリのような地域制限のあるコンテンツを視聴したりできます。
NordVPNを始めとするVPNサービスは多くの場合、VPNゲートウェイとVPNルーター、VPNサーバーの機能を1つの機器に統合しているため、これらの存在を認識することは多くありません。
VPNクライアントソフト
VPNクライアントソフトは、簡単に言うとユーザーのデバイス(パソコンやスマートフォン)をVPNサーバーに接続するためのアプリのことです。
VPNクライアントソフトをインストールしてSurfshark VPNなどのVPNサービスに接続することで、自宅のインターネット回線を通じて暗号化された安全な通信が可能になります。
VPNの種類と向き不向き
VPNには主に以下の4つの種類があります。
VPN種類 | 特徴 | 料金 | 向いている使用者 |
---|---|---|---|
インターネットVPN | 一般的なインターネット回線を使用。簡単に始められる | 一番安い | 自宅VPNを構築する個人 |
エントリーVPN | 一般回線と専用回線を組み合わせて使用。安全性は中程度 | やや安い | 中小企業 |
IP-VPN | 通信会社の専用回線を使用。安全性が高く、通信も安定 | やや高い | 中~大きめの会社 |
広域イーサネット | 最も高度な専用回線。最高の安全性と通信品質 | 一番高い | 大企業 |
順番に解説していきますが、個人の自宅でVPNを構築する場合、それぞれの特徴を理解し、最適な選択をすることが重要になるため、各VPNの向き不向きに着目してください。
インターネットVPN
インターネット回線を利用して構築するVPNで、個人ユーザーにとって最も自宅に導入しやすいVPNです。
- 既存のインターネット環境を活用できるため、追加の機器投資が最小限で済む
- 設定が比較的簡単で、技術的な知識が少なくても導入できる
- 公衆回線を使用するため、データの暗号化や認証設定に注意を払う必要あり
個人ユーザーにとって、インターネットVPNは最もコストパフォーマンスに優れた選択肢です。自宅のインターネット環境を利用できるため、追加の月額費用もほとんどかかりません。ただし、セキュリティ面では他のVPN方式に劣るため、VPNソフトウェアの選択や設定には注意が必要です。
エントリーVPN
通信事業者の閉域網を利用するVPNで、個人ユーザーにとってはインターネットVPNの次に検討しやすい選択肢です。
- 通信事業者が管理する専用のネットワークを使用するため、インターネットVPNよりもセキュリティが高い
- 一般的なインターネット回線よりも安定した通信が可能だが、完全な帯域保証はない
- 導入コストはインターネットVPNより高くなるが、高度なセキュリティが必要な場合に検討する価値あり
エントリーVPNは、例えばリモートワークで会社の機密情報を扱う場合など、個人ユーザーがより高いセキュリティを求める場合の選択肢となりえます。ただし、通信事業者との契約が必要となるため、コストと必要性を十分に検討する必要があります。
IP-VPN
通信事業者の閉域網を利用し、帯域保証型の回線を使用するVPNです。個人ユーザーにとっては、特殊なケースを除いてオーバースペックな選択肢となります。
- 帯域保証があるため、安定した高速通信が可能
- 高度なセキュリティ機能を備え、機密性の高い情報のやり取りに適している
- 導入・運用コストが高く、通常は企業向けのサービスとなる
IP-VPNは、個人ユーザーが自宅で利用するには、コストや機能面で過剰な場合がほとんどです。ただし、在宅で高度なセキュリティが要求される業務を行う場合など、特殊なケースでは検討の余地があります。
広域イーサネット
専用線を使用して構築するVPNで、個人が自宅に導入することは非常にまれです。
- 専用線を使用するため、最高レベルのセキュリティと通信品質を確保できる
- 大容量データの転送や遅延に敏感な業務に最適
- 導入・運用コストが非常に高く、通常は大企業や特殊な要件を持つ組織向け
広域イーサネットは、個人ユーザーが自宅に導入することはほぼありません。コストが非常に高く、個人の需要を大きく超える性能を持つためです。ただし、その特性を理解しておくことで、VPNの種類と性能の幅広さを把握することができます。
これらの選択肢の中から、個人ユーザーが自宅でVPNを構築する場合、一般的にはインターネットVPNを選択することになるでしょう。コストと導入のしやすさのバランスが最も取れているためです。
ただし、扱う情報の重要度や必要なセキュリティレベルに応じて、エントリーVPNなど、より高度な選択肢を検討することも重要です。
VPNを自宅で構築する方法
ここでは個人が自宅用にVPN構築する際に最も一般的な、インターネットVPNの利用シーンを想定して解説していきます。
手順としては、以下の通りです。
- VPNサービスの選択
- VPNクライアントソフトのインストールと設定
- VPN対応ルーターを準備、設定
①:VPNサービスの選択
VPNサーバーを自宅で自作するのはとても大変なため、基本的にVPNサービスを利用することを推奨します。
以下ではVPNを自宅に簡単に導入できるおすすめのVPNサービスを紹介しています。いずれも自宅VPNを自作するよりも素早くVPN接続を行うことが可能なため、ご自身のニーズにあったものを選んでください。
VPNサービス | 料金 | 無料トライアル | 同時接続デバイス | サーバー分布 | デバイスの互換性 |
---|---|---|---|---|---|
NordVPN | 月額580円〜 | 7日間 | 10 | 100カ国6,000台 | Windows、MacOS、Linux、Android、iOS、Apple TV、Android TV、Amazon Fire TV |
ExpressVPN | 月額6.67ドル〜 | 7日間 | 8 | 105カ国3,000台 | Windows、macOS、Linux、Chromebook、Android、iOS、Android TV、Amazon Fire TV |
Surfshark | 月額308円〜 | 7日間 | 無制限 | 100カ国3,200台 | Windows、macOS、Linux、Android、iOS、Apple TV、Android TV、Amazon Fire TV |
Cyberghost | 月額290円〜 | 最大7日間 | 7 | 100カ国1万台 | Windows、MacOS、Linux、Android、iOS、PlayStation4、Nintendo Switch |
PureVPN | 月額2.14ドル〜 | 7日間 | 10 | 78カ国6,500台 | Windows、MacOS、Linux、Chromebook、Android、iOS、Kindle Fire |
IPVanish | 月額2.19ドル〜 | ✗ | 無制限 | 70カ国2,000台 | Windows、MacOS、Linux、Android、iOS |
- NordVPN:日本でも多くのユーザーに使用されている人気VPN。ダークウェブモニタリングやメッシュネットワークといった便利で安全な機能を多く提供しており、VPN対応ルーターを用意すれば自宅ですぐにVPN接続が可能
- ExpressVPN:業界トップクラスの接続速度を誇るVPNで、タイ向けVPNまたは韓国向けVPNとしてもおすすめ。独自のTrustedServer技術により、セキュリティも高精度。VPNサーバーの利用で通信速度を極力落としたくないユーザーにぴったり。
- Surfshark:NordVPN同様に高度なセキュリティと手軽さを誇るが、Surfsharkはより手頃な価格で利用できるのが大きな魅力。コストを抑えつつ自宅にVPNサーバーを構築したい人向け
- Cyberghost:パソコンやスマホ以外に、多様なゲーム機にも対応しているVPN。サーバー数も多いため、アクセス可能な海外サービスが多いのも魅力
- PureVPN:監査法人に常時監査されている唯一のVPNで、高い安全性を持つ。また24時間年中無休のライブチャットサポートを受けることができるので、自宅VPNを構築したい人にとって強力なサポートとなる
- IPVanish:全てのVPNサーバーを自社で所有・運営しているため、プライバシー保護を重視する個人ユーザー向けのアメリカVPNの一つ
もし無料のVPNを使う場合は、完全無料VPNではなく有料VPNの無料プラン、もしくは無料トライアルを活用することをおすすめします。完全無料のVPNの場合、個人のセキュリティやプライバシーを広告、データ提供での収益化のために犠牲にしている可能性があるためです。
日本の筑波大学で開発されているSoftEther(ソフトイーサVPN)の場合は、完全無料で使うことができ、比較的安全に利用できるものの、NordVPNなどの商用VPNと比べると使いにくい点が多々あります。
項目 | SoftEther(ソフトイーサVPN) | NordVPN |
---|---|---|
使いやすさ | 技術的な知識が必要で、セットアップが複雑 | 使いやすいアプリで初心者でも簡単に利用可能 |
サーバー分布と設定 | 自身で設定する必要がある | 100カ国以上に6,000台以上、設定は一瞬 |
セキュリティ機能 | 強力な暗号化を提供するが、追加機能は限定的 | 高度な暗号化に加え、キルスイッチ、タブルVPNなど多くの追加セキュリティ機能を提供 |
カスタマーサポート | コミュニティベースのサポート | 24時間365日のプロフェッショナルなサポートを提供 |
VPNでNetflixを視聴する際にも、世界中にサーバーがある商用VPNが便利です。
②:VPNクライアントソフトのインストールと設定
VPNサービスを決めたら、次はサービス契約をしてVPNクライアントソフトをインストールし、設定します。
ここではNordVPNを例に解説します。
まずは、NordVPN公式Webサイトにアクセスし、プランを選択し契約します。その後NordVPNアカウントを作成し、完了したらWebサイトからNordVPNのクライアントソフト(アプリ)をダウンロードします。
デバイスへのNordVPNクライアントソフトのインストールが完了したら、起動します。アプリを開いたら、「ログイン」をクリックすると、VPNを含むサービスにログインできるNordアカウントに移動します。
ログインすると、アプリを参照して自動接続を設定したり、キルスイッチ設定を表示したり、アカウントに多要素認証を追加できます。
すべての設定が完了したら、アプリのホーム画面で「クイック接続」をクリックし、NordVPNのVPN サーバーに接続します。他にも、マップビューを使用してサーバーを探すこともできます。
これで、VPNサービスにて通信が保護されます。
③:VPN対応ルーターを準備、設定
VPN対応ルーターを使用することで、家庭内のすべてのデバイスを一括してVPN接続することができます。各VPNサービスや使用するVPNルーターによってやり方は異なりますが、ここでは自宅におすすめのVPNルーターである「TP-Link」の設定の手順を紹介します。
- ルーター管理画面にアクセスし、管理者としてログイン
- 「詳細設定」から「VPNクライアント」を選択し、有効化
- 「追加」でVPNプロファイルを作成し、必要情報を入力
- デバイスリストでVPN接続を使用するデバイスを選択
- サーバーリストの「有効」トグルをクリックしてVPN接続を開始
- VPNサービスのIP確認ツールで正しく接続されているか確認
VPN対応ルーターの設定は技術的な知識が必要な場合があります。不安な場合は、VPNサービスのカスタマーサポートに相談するか、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
また、一部のVPNサービスでは、事前設定済みのルーターを提供しているので、それらを利用するのも一つの選択肢です。
- NordVPN:FlashRoutersというパートナー企業を通じてプリインストール済みのルーターを複数提供
- ExpressVPN:独自のVPNルーター「Aircove」を提供
自宅でVPN構築する際の注意点
自宅でVPNを構築する際に注意するべきことが5つありますので、以下を順番に解説します。
- セキュリティ設定の徹底
- ネットワーク環境の最適化
- プライバシー保護の考慮
- VPNルーターの選択と設定
- VPNサーバーの構築と管理
セキュリティ設定の徹底
自宅でVPNを構築する際は、セキュリティ設定を徹底することが重要です。特に仮想通貨取引をする場合のVPNセキュリティ対策は慎重に行いましょう。
強力なパスワードの設定、暗号化プロトコルの選択、ファイアウォールの適切な設定などを行いましょう。定期的にソフトウェアを更新し、最新のセキュリティパッチを適用することで、脆弱性を最小限に抑えることができます。
ネットワーク環境の最適化
自宅のネットワーク環境を最適化することも重要です。安定した高速インターネット接続を確保し、VPNサーバーの帯域幅を適切に設定しましょう。また、QoS(Quality of Service)設定を行うことで、VPN通信の優先度を上げ、安定したパフォーマンスを維持することができます。
プライバシー保護の考慮
VPNを構築する際は、プライバシー保護にも注意を払う必要があります。VPNログの取り扱いについて慎重に検討し、必要最小限のログのみを保存するようにしましょう。また、DNSリークを防ぐための設定や、IPv6トラフィックの適切な処理など、プライバシーを脅かす可能性のある要素にも対処することが重要です。
VPNルーターの選択と設定
VPNルーターを選択する際は、対応プロトコルやセキュリティ機能、処理能力などを考慮しましょう。高性能なVPNルーターを選ぶことで、安定した接続と高速な通信を実現できます。また、ルーターのファームウェアを最新の状態に保ち、不要なサービスを無効化するなど、セキュリティを強化する設定を行うことが重要です。
VPNサーバーの構築と管理
自宅でVPNサーバーを構築する場合、専用のハードウェアやソフトウェアを使用する方法があります。例えば、ラズベリーパイなどのシングルボードコンピューターを利用してVPNサーバーを構築することも可能です。
VPNサーバーの設定では、適切なVPNプロトコルの選択、ユーザー認証の設定、ネットワークアドレス変換(NAT)の設定などが重要になります。また、定期的なバックアップやモニタリングを行い、サーバーの安定運用を心がけましょう。
セキュリティやプライバシーの保護、VPNサーバーの構築などが面倒に感じた際は、本記事で紹介している信頼できるVPNサービスを利用することをおすすめします。まとめて揃えられるため、非常に便利で安全です。
自宅のWi-FiにVPNが接続できない時の対処法7選
「VPNが接続できない!」という場合は、ルーターやサーバー以外にも様々な原因が考えられます。ここではVPNが接続できない際に行うべき対処法を7つ抜粋して紹介します。
- インターネット接続の確認と再起動
- VPNクライアントソフトウェアの更新
- ファイアウォールとセキュリティソフトの設定確認
- DNSサーバーの変更
- VPNプロトコルの切り替え
- ポートフォワーディングの設定
- ISPによるVPNブロックの確認
①:インターネット接続の確認と再起動
VPN接続の問題に直面した際、まず最初に確認すべきは基本的なインターネット接続です。ブラウザを開いて通常のウェブサイトにアクセスできるか試してみましょう。
接続に問題がある場合は、Wi-Fiルーターの電源を一度切り、30秒ほど待ってから再起動してください。これにより、多くの一時的な接続問題が解決することがあります。
②:VPNクライアントソフトウェアの更新
VPN接続の問題は、使用しているVPNクライアントソフトウェアが最新版でないことが原因である可能性があります。ソフトウェアの開発元のウェブサイトを確認し、最新バージョンがリリースされていれば、ダウンロードしてインストールしましょう。
新しいバージョンには、しばしば接続の安定性や互換性の向上が含まれています。
③:ファイアウォールとセキュリティソフトの設定確認
コンピューターのファイアウォールやセキュリティソフトウェアが、VPN接続をブロックしている可能性があります。これらのセキュリティ設定を一時的に無効にして、VPN接続を試みてみてください。
接続に成功した場合は、VPNソフトウェアを例外として登録し、セキュリティ設定を再度有効にします。
④:DNSサーバーの変更
まれに、ISPが提供するDNSサーバーがVPN接続の妨げになることがあります。この問題を解決するために、GoogleのパブリックDNSサーバー(8.8.8.8と8.8.4.4)などの代替DNSサーバーを使用してみましょう。ネットワーク設定でDNSサーバーを手動で変更し、VPN接続を再試行します。
⑤:VPNプロトコルの切り替え
多くのVPNサービスは複数のプロトコルをサポートしています。現在使用しているプロトコルで接続できない場合は、別のプロトコルに切り替えてみましょう。
例えば、OpenVPNからIKEv2やL2TP/IPsecに変更することで、接続問題が解決することがあります。VPNクライアントの設定画面でプロトコルを変更し、再接続を試みてください。
⑥:ポートフォワーディングの設定
自宅のWi-Fiルーターでポートフォワーディングが正しく設定されていないと、VPN接続が妨げられる可能性があります。ルーターの管理画面にアクセスし、VPNサービスが使用するポートが適切に転送されているか確認します。
必要に応じて、VPNプロバイダーが推奨するポート設定を行いましょう。
⑦:ISPによるVPNブロックの確認
最後に、インターネットサービスプロバイダ(ISP)がVPNトラフィックをブロックしている可能性も考慮する必要があります。一部の国や地域では、ISPがVPN使用を制限することがあります。
この場合、ISPに直接問い合わせるか、VPNプロバイダーに代替接続方法(例:ステルスVPNや難読化サーバー)があるか確認してみましょう。これらの方法で問題が解決しない場合は、VPNサポートチームに相談することをお勧めします。
まとめ:自宅のVPN導入は手軽にすまそう!
本記事では自宅でのVPN環境構築の必要性や方法、注意点まで幅広く解説してきました。個人が自宅にVPNサーバーを自作するのは難易度が高くセキュリティにも不安が残るため、VPN構築をする際はぜひ本記事でおすすめしているVPNサービスを使うようにしましょう。世界中にサーバーがあるため、YouTubeプレミアムを安く契約することも可能です。