VPN接続とは?意味や仕組み、必要性をわかりやすく解説

信頼の理由
信頼の理由

VPN接続とは、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築する技術のことです。この技術を利用することで、カフェや空港などの公共Wi-Fiを使う時でも、自宅や会社にいるかのように安全にインターネットを利用できます。

本記事ではVPNとは何か、その意味や必要性、仕組み、メリット・デメリットまで幅広く解説していきます。「VPNって何ができるの?」「VPNにはどんな効果があるんだろう」と思っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

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VPN(ブイピーエヌ)接続とは?

パソコンでVPNを操作している女性

VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想的なプライベートネットワークを構築する技術です。この技術を使用することで、公共のインターネット回線を通じて、まるで専用線のように安全に通信することができます。

VPNを利用すると、ユーザーのインターネットトラフィックは暗号化され、IPアドレスも隠蔽されます。これにより、オンライン上でのプライバシーとセキュリティが大幅に向上します。

VPNの必要性

VPNが必要とされる主な理由は以下の通りです。

  • プライバシー保護: VPNを使用することで、ISP(インターネットサービスプロバイダ)や第三者から、ブラウジング履歴や個人情報を守ることができる
  • セキュリティ強化: 公共Wi-Fiなどの安全でないネットワークでも、VPNは通信を暗号化し、データを保護する
  • 地理的制限の回避: 特定の国や地域限定のコンテンツに、VPNを使用してアクセスできる

VPNを使わない結果、大きな事故になったケースがあります。例えば2023年7月、名古屋港統一ターミナルシステムがランサムウェアに感染し、システム専用のプリンターから脅迫文書が印刷されるという事件が発生しました。

この事例では、VPNを使用せずにリモート接続機器が直接インターネットに接続されていたことが問題となっています。

参考文書:情報セキュリティ10大脅威 2024 解説書

これらの理由から、企業や個人のプライバシー意識の高まりやサイバーセキュリティの重要性の増大に伴い、VPNの必要性は年々高まっています。

VPNの利用場面

VPNが特に役立つ代表的な利用シーンは以下の通りです。

  • 公共Wi-Fiの使用時
  • 海外旅行中のインターネット利用
  • 在宅勤務での社内ネットワークアクセス
  • ストリーミングサービスの地域制限コンテンツ視聴

例えば、カフェのフリーWi-Fiを使ってオンラインバンキングにアクセスする際、VPNを使用することで通信が暗号化され、悪意ある第三者による情報の盗み見を防ぐことができます。

また、VPN接続は中国などの規制が強い国に旅行・出張する場合も使えます。

さらに、日本在住の方が、米国限定で配信されているNetflixの人気ドラマを視聴したい場合、VPNを使用して米国のサーバーを経由することで、そのコンテンツにアクセスできる可能性があります。

これらの場面でVPNを活用することで、セキュリティを向上させつつ、より自由にインターネットを利用できます。

NordVPNであれば、世界最速レベルの通信速度と、政府機関で採用されるレベルのセキュリティ、100カ国以上のサーバーにより、世界のあらゆるコンテンツが安全に利用可能です。

VPNの仕組み|4つの要素

VPNに守られてネットサーフィンしている人物

VPNの仕組みを理解するためには、以下4つの役割を理解することが大事です。簡単に表にまとめました。

要素 主な役割 特徴
VPNクライアント ユーザーのデバイスにインストールされるソフトウェア 使いやすいインターフェースと高度なセキュリティ機能
VPNサーバー VPNサービスの中核 クライアントとの安全な通信経路の確立とデータ保護
トンネリングプロトコル VPN通信を可能にする規則のセット
  • OpenVPN、L2TP/IPsecは高セキュリティと安定性
  • WireGuard、IKEv2は高速性と効率性
暗号化 VPNのセキュリティ確保の重要要素 強力な暗号化アルゴリズム(AESなど)の使用

これらの詳細を順番に解説していきます。

①:VPNクライアント

VPNクライアントは、ユーザーのデバイスにインストールされるソフトウェア(アプリ)で、VPNサービスを利用するための重要な入り口となります。

多くのVPNプロバイダーは、Windows、Mac、iOS、Android、さらにはLinuxなど、様々なプラットフォーム向けにクライアントソフトウェアを提供しています。
VPNクライアントの主な役割と特徴は以下の通りです。

  • 接続と暗号化:VPNサーバーへの安全な接続を確立し、データの暗号化・復号化を行う
  • ユーザーインターフェース:簡単な操作で接続や設定変更ができる使いやすい画面を提供
  • セキュリティ機能:キルスイッチやスプリットトンネリングなど、高度な保護機能を搭載
  • カスタマイズ設定:VPNプロトコルの選択や自動再接続など、ユーザーのニーズに応じた調整が可能

これらの機能により、VPNクライアントは技術的な知識が少ないユーザーでも簡単に操作でき、同時に高度なセキュリティ機能を提供することで、安全で効率的なVPN体験を実現します。

②:VPNサーバー

VPNサーバーは、VPNサービスの中核を成す重要な要素です。世界中の様々な場所に配置されており、ユーザーは目的に応じて最適なサーバーを選択できます。VPNサーバーの主な役割と特徴は以下の通りです。

  • 接続処理:クライアントからの接続要求を受け付け、認証を行い、安全な通信経路を確立する
  • データ保護:クライアントとの間で送受信されるデータの暗号化・復号化を行い、通信の機密性を確保
  • トラフィック中継:ユーザーのインターネットトラフィックを受け取り、目的のウェブサイトへ転送する
  • 地理的分散:世界各地に配置され、ユーザーの位置情報を変更し、地域制限コンテンツへのアクセスを可能にする

VPNサーバーの地理的位置は、接続速度やアクセス可能なコンテンツに大きな影響を与えます。多くのVPNプロバイダーは、高速で安定した接続を提供するため、戦略的にサーバーを配置しています。

また、一部のVPNサービスでは、特定の用途(ストリーミング、P2P等)に最適化されたサーバーを提供しているものもあります。

③:トンネリングプロトコル

トンネリングプロトコルは、VPNの通信を可能にする規則のセットです。これらのプロトコルは、データパケットをカプセル化し、VPNクライアントとサーバー間で安全に転送する方法を定義します。

カプセル化とは、元のデータパケットを別のパケット内に包み込む処理のことです。これにより、データの内容や送信元、送信先などの情報が隠蔽され、セキュリティが向上します。

主要なトンネリングプロトコルは以下の4つです。

  1. OpenVPN:オープンソースで高度なセキュリティを提供する。柔軟性が高く、多くのデバイスやOSに対応している
  2. L2TP/IPsec:広く対応されており安定性に優れるが、一部のファイアウォールでブロックされる可能性がある
  3. WireGuard:比較的新しいプロトコルで、高速かつ効率的な通信を実現している。セキュリティ監査が容易で、バグの可能性も低減されている。
  4. IKEv2:モバイルデバイスでの使用に適している。ネットワーク切り替え時の再接続が速く、安定性に優れ、IPsecと組み合わせて使用されることが多い

プロトコルの選択は、セキュリティレベル、速度、デバイスの互換性に影響を与えます。例えば、OpenVPNは高いセキュリティが必要な場合に適していますが、WireGuardは高速な接続が求められる場合に適しています。ユーザーの需要や使用状況に応じて、適切なプロトコルを選択することが重要です。

④:暗号化

暗号化は、VPNのセキュリティを確保する上で最も重要な要素の一つです。

暗号化の主な役割としては、

  • データの機密性を保護する
  • 中間者攻撃を防止する
  • ユーザーのプライバシーを確保する

といったものがあります。

VPNは通常、AES(Advanced Encryption Standard)などの強力な暗号化アルゴリズムを使用します。256ビット暗号化は現在、最も安全なレベルとされており、多くのVPNプロバイダーが採用しています。

これらの4つの要素が連携して働くことで、VPNは安全で信頼性の高いプライベートネットワークを構築しています。

ユーザーのデータはVPNクライアントで暗号化され、トンネリングプロトコルを通じてVPNサーバーに送信されます。サーバーはそのデータを復号化し、インターネットに送出します。この過程全体を通じて、強力な暗号化がユーザーのプライバシーとセキュリティを保護しているのです。

NordVPNの場合は、最も安全なAES-256ビット暗号化に対応し、厳格なノーログポリシー、そして多重暗号化などの機能が他のVPNサービスと比較しても優れているため、安心して使いたい人におすすめになっています。

VPN接続|4つの方法

インターネットを利用している女性

VPNの接続方法には大きく分けて4種類あります。以下の表に簡単な概要をまとめました。

接続タイプ 特徴 主な用途 コスト セキュリティ
インターネットVPN
  • 公衆インターネットを利用
  • 柔軟性が高い
  • 中小企業
  • 個人ユーザー
エントリーVPN
  • 通信事業者のネットワークを利用
  • コストと品質のバランスが良い
中小企業の拠点間接続 中~高
IP-VPN
  • 通信事業者の閉域網を利用
  • 高品質で安定した通信
  • 大企業
  • 金融機関
広域イーサネット
  • イーサネット技術を利用
  • 高速大容量通信が可能
  • データセンター間接続
  • 大量データ転送

この4つの接続方法について個別に、特徴、用途、セキュリティ、性能の観点から解説します。

①:インターネットVPN

インターネットVPNは、公衆インターネットを利用して構築される柔軟性の高い仮想プライベートネットワークです。このVPNは、コスト効率と利便性のバランスが取れており、多様なビジネスニーズに対応します。

  • 特徴:低コストで迅速に導入可能、地理的制約のない接続性を提供し、拡張性が高い
  • 用途:リモートワーク環境の構築、海外拠点との安全な通信、小規模オフィス間のデータ共有に最適
  • セキュリティ面:強力な暗号化が必須、IPsecやSSLなどのプロトコルを使用してデータを保護
  • 性能面の考慮点:インターネット回線の品質に依存するため、安定性や速度が変動する可能性がある

インターネットVPNは、テレワーカーや出張の多い営業職、複数の小規模オフィスを持つ企業に特に適しています。導入時には、エンドポイント保護やマルチファクタ認証などの追加のセキュリティ対策を考慮することが重要です。

また、帯域制御やQoS(Quality of Service)設定を活用することで、重要なアプリケーションのパフォーマンスを最適化できます。

大規模な導入の際は、スケーラビリティを考慮し、クラウドベースのVPNソリューションも検討に値します。これにより、需要の変動に応じて柔軟にリソースを調整することが可能になります。

②:エントリーVPN

エントリーVPNは、通信事業者が提供する、コストパフォーマンスに優れたVPNサービスです。インターネットVPNとIP-VPNの中間に位置し、中小企業のニーズに適したソリューションを提供します。

  • 特徴:通信事業者の設備を利用し、安定した通信品質と信頼性の高いセキュリティを低コストで実現
  • 用途:中小企業の拠点間ネットワーク構築に適し、店舗間接続や支店網構築、基幹系システムアクセスに利用
  • セキュリティ面:インターネットVPNよりも高いセキュリティを実現
  • 性能面の考慮点:帯域保証が無く、QoS機能、バックアップ回線オプション、将来の拡張性を検討すべき

エントリーVPNは、初期投資を抑えつつ安定したネットワークパフォーマンスを実現できます。ただし、サービスの選択時にはSLA(サービス品質保証)の内容や24時間サポート体制の有無を確認することが重要です。

③:IP-VPN

IP-VPNは、高度なセキュリティと信頼性を提供する通信事業者の閉域網利用型VPNです。企業の重要な通信インフラとして広く採用されています。

  • 特徴:高品質な帯域保証、24時間365日のモニタリング、柔軟なネットワーク設計を提供
  • 用途:多拠点企業の基幹ネットワーク、金融取引、機密データの転送、災害対策用バックアップ回線に適する
  • セキュリティ面:閉域網利用で高度な暗号化、不正アクセス防止機能により機密性の高い情報転送を実現
  • 性能面の考慮点:高コスト、回線障害時の代替手段確保、プロバイダーロックインのリスクに注意が必要

IP-VPNは、大手小売チェーンのPOSシステム、製造業の生産管理システム、金融機関の取引システムなど、高い信頼性と安全性が求められる業務には不可欠です。

一方で、導入・運用コストが高く、専門的な知識が必要なため、中小企業には負担が大きい場合があります。また、サービス提供事業者の選定には慎重を期す必要があり、将来的な拡張性やグローバル展開の可能性も考慮に入れるべきです。

④:広域イーサネット

広域イーサネットは、高速・大容量のデータ転送を可能にする専用線サービスです。企業の重要なデータ通信基盤として利用されています。

  • 特徴:低遅延、大容量のデータ転送が可能、レイヤー2レベルの透過的な通信を実現
  • 用途:データセンター間接続、大規模なバックアップ、ディザスタリカバリ、クラウド接続に適する
  • セキュリティ面:専用線利用により高いセキュリティを確保、ただし暗号化は別途検討が必要
  • 性能面の考慮点:初期導入コストが高額、長期契約が一般的でサービス変更の柔軟性に欠ける可能性あり

広域イーサネットは、メディア企業の映像配信、研究機関の大規模データ解析、eコマース企業の分散データベース同期などに利用されます。

ビッグデータ分析や高精細映像伝送にも適しています。コスト面での検討が必要ですが、帯域あたりの単価は他のVPNより有利な場合があります。

一方で、初期投資や運用管理の負担が大きいため、費用対効果を慎重に評価する必要があります。また、サービスプロバイダーの選定や将来的な技術革新への対応も重要な検討事項となります。

VPN接続のメリット

盾で守られた街

ここではVPN接続を利用する主なメリットを3つ紹介します。

①:セキュリティの向上

VPN接続を使用することで、インターネット通信が暗号化され、第三者による盗聴や情報の漏洩リスクが大幅に低減されます。特に公共Wi-Fiを利用する際、VPNは重要なセキュリティ層として機能し、個人情報や機密データを保護します。

②:地理的制限の回避

VPNを利用すると、異なる国や地域のサーバーを経由してインターネットにアクセスできるため、地理的な制限を回避することが可能になります。これにより、海外の動画配信サービスや、特定の地域でしかアクセスできないウェブサイトなどを閲覧することができます。

③:プライバシーの保護

VPN接続を使用すると、インターネットサービスプロバイダー(ISP)や広告主から自分のオンライン活動を隠すことができます。これにより、ブラウジング履歴や検索履歴などの個人情報が追跡されにくくなり、プライバシーを守ることができます。

本記事でおすすめしているNordVPNの場合は、EUや米国の管轄外でデータ保持法のない国パナマで法人化しているため、一切のユーザートラフィックを収集していません。これにより、世界最速レベルの速度とプライバシーの保護が両立できています。

付随して、7日間の無料トライアル、ワンタップで接続できる「クイック接続」などもあるので、非常にスムーズに使うことが可能です。

VPN接続のデメリット

スマホの中に入っているVPNアプリ

VPN接続を利用する主なデメリットを3つ紹介します。

①:接続速度の低下

VPN接続では、データが暗号化され、遠隔地のサーバーを経由するため、通常のインターネット接続と比べて速度が低下する可能性があります。特に高速な通信が必要なオンラインゲームや大容量ファイルのダウンロードなどで影響が出る場合があります。

②:コストの発生

信頼性の高いVPNサービスを利用する場合、月額や年間の利用料金が発生します。無料のVPNサービスも存在しますが、セキュリティやプライバシーの面で信頼性に欠ける場合があるため、コストと利便性のバランスを考慮する必要があります。

③:設定の複雑さ

VPN接続を利用するためには、初期設定や適切なサーバーの選択などの作業が必要となります。技術に不慣れなユーザーにとっては、これらの設定が煩雑に感じられる場合があり、正しく設定されていないとVPNの効果が十分に発揮されない可能性があります。

まとめ

VPN接続は、オンラインセキュリティとプライバシー保護に不可欠なツールです。データの暗号化とIPアドレスの隠蔽により、公共Wi-Fiでの安全性向上や地理的制限の回避が可能になります。適切なVPNサービスを選ぶことで、接続速度低下などのデメリットを最小限に抑えられます。

特に本記事で触れているNordVPNは、世界最速クラスの速度と高度なセキュリティを提供する優れたVPNサービスです。100カ国以上のサーバー、使いやすいインターフェース、7日間の無料トライアルにより、安全で自由なインターネット体験を始められます。VPN接続を検討している方は、今すぐNordVPNを試してみましょう。

VPNに関するよくある質問

VPNとは何か、わかりやすく教えて下さい。

VPNはオンオフ、どっちがいい?

iPhoneでVPNを設定するには?

VPNに接続しないとどうなる?

VPNは入れたほうがいいですか?

パーソナルVPNとは?

VPNプロバイダーとは?

VPNサービスとは?

VPNの仕組みは?

VPNの効果は?

shogo
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編集者

エンジニアブロガー兼Techopedia(テコペディア)のテック&仮想通貨部門ライター。Web制作ブログで月間最高8万PV超えのしょーごログを運営。2024年8月からライターとしての活動も開始…...