2025年度第1四半期のマイクロソフトの売上は655億9,000万ドルに達したものの、クラウド部門の業績は予想に届きませんでした。一方で、AI分野への投資には期待が集まっており、ナデラCEOは次の四半期で年間100億ドルのAI収益を見込んでいます。
10月30日の市場終了後、マイクロソフトが決算発表を行いましたが、クラウド部門の結果がアナリストの予想を下回った影響で、株価はプレマーケットで約4%下落しました。
マイクロソフトの業績詳細
マイクロソフト(MSFT)は、2025年度第1四半期の決算でウォール街の予想を上回る利益を発表しましたが、クラウド部門の成長はわずかに予想を下回りました。
四半期の売上は前年同期比16%増の655億9,000万ドル、純利益は246億7,000万ドル(1株あたり3.30ドル)に達し、アナリストの予想を上回りました。しかし、Azureクラウドプラットフォームを含むインテリジェントクラウド部門の売上は、前年同期比20%増の240億9,000万ドルとなり、予想されていた289億7,000万ドルには届きませんでした。
Guide Disappoints – Microsoft $MSFT Earnings Recap
Updating the table for non-cash capex, guidance, and re-segmentation adjustments for correct Y/Y segment comparisons.
Revenue guide disappoints, primarily in Personal Comput.
Stock now -3%. https://t.co/eIiroPO5J4 pic.twitter.com/IpGbCXz3TC
— CG (@ConsensusGurus) October 30, 2024
AI投資が収益を牽引
大手テクノロジー企業がAI投資の成果を求められる中、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、AzureやMicrosoft 365を中心にAI関連収益が急成長していることを強調しました。
ナデラ氏によると、同社のAI事業は次の四半期までに年間100億ドルの収益ペースに達する見込みで、これはマイクロソフトの事業史上最速の成長ペースです。この急成長の背景には、Fortune 500企業の70%が採用する「Microsoft 365 Copilot」への高い需要があります。
OpenAIによる損失の懸念
AI分野への期待が高まる一方で、マイクロソフトのOpenAIへの投資には課題も生じています。CFOのエイミー・フッド氏によれば、今四半期の収益は主にOpenAIの損失によって15億ドルの不足が見込まれています。マイクロソフトはOpenAIに約140億ドルを投資しており、今年のOpenAIの損失は50億ドルに達すると予測されていますが、収益の40億ドルで一部が補われる見通しです。
OpenAIがマイクロソフトのAI戦略の中心であることに変わりはありませんが、依存を減らすためにAIパートナーシップを広げています。最近、GitHubはCopilot Chat機能においてGoogleやAnthropicのモデルも利用できるようにし、OpenAIのGPT-4以外の選択肢を提供することを発表しました。このような戦略的な多様化は、AI分野での勢いを維持しながら財務リスクを管理するためのマイクロソフトの取り組みを表しています。
マイクロソフト株(MSFT)は買い時か?
マイクロソフト株(MSFT)は年初から24.5%上昇し、376.04ドルで力強い動きを見せています。しかし、S&P 500に対する相対的な強さを示すRS(相対力)ラインは低下しており、全体の市場の伸びには追いついていない状況です。
マイクロソフトのIBDコンポジットレーティングは最近数カ月で改善し、現在73に達しています。ただし、トップクラスの成長株としては95以上が目安とされ、これは大きな上昇トレンドの兆しとされています。相対力評価(RS)も62と改善傾向にありますが、理想的なブレイクアウト銘柄は通常95以上のRS評価で始まるため、もう少し伸びが必要です。
IBDの調査によると、過去に大きな上昇を見せた銘柄は上昇開始時に平均87以上のRS評価を持っており、相対力の高い銘柄はその後も大きな利益をもたらしやすいとされています。